甲状腺の検査

甲状腺の検査

甲状腺の検査では、甲状腺の大きさや形をみるための超音波検査、甲状腺ホルモンの過不足など機能を調べる血液検査などが行われます。特に、甲状腺ホルモンの過剰・不足を調べる血液検査は不可欠です。
血液検査では、甲状腺ホルモンであるFT3・FT4、甲状腺を刺激するホルモンであるTSHを調べます。

甲状腺超音波検査

甲状腺の検査甲状腺甲状腺超音波検査は低侵襲で簡便な検査であり、甲状腺の形態の評価に優れており甲状腺腫瘍の精査としても欠かせない検査です。その大きさや形などを見ることは 、良悪性を判断する重要な所見となります。また、バセイドウ病や橋本病、亜急性甲状腺炎においても特徴的な所見が認められるため診断に欠かせない検査です。

甲状腺ホルモン FT3、FT4

甲状腺ホルモンは、基本となる構造にヨードが3個結合しているT3、4個結合しているT4の2種類に分けられます。Fは遊離型(Free)という意味です。甲状腺から分泌された甲状腺ホルモンのほとんどはタンパク質と結合しますが、極微量がタンパク質と結合しない遊離型として血液中に流れ、さまざまな臓器に作用します。遊離型ホルモンである血液中のFT3やFT4の量を調べることで、甲状腺ホルモンの過不足を正確に把握することができます。
甲状腺から分泌される遊離型ホルモンのほとんどはT4であり、一部のT4が肝臓などの臓器によってT3になります。T4はホルモンとしての力が弱く、T3はホルモンとして細胞の働きを変える作用を持っているため、FT4の量で甲状腺がホルモンをつくる能力を、FT3の量で甲状腺ホルモンが全身に及ぼす作用について調べることができます。

甲状腺刺激ホルモン TSH

TSHは脳の下垂体から分泌されているホルモンで、甲状腺を刺激する作用によって甲状腺の働きをコントロールします。下垂体は甲状腺ホルモンの分泌量を常に監視していて、わずかな過不足に反応してTSHの分泌量を変えています。甲状腺ホルモンの過不足を高精度で知るために欠かせない検査です。

判定と評価

甲状腺関連の血液検査(TSH、FT3、FT4、甲状腺関連自己抗体)と甲状腺超音波検査を行うことによって、甲状腺ホルモンの機能異常や橋本病・バセドウ病・亜急性甲状腺炎の診断や、甲状腺腫瘍の精査が可能となります。

TSHに関しては、IFCC 基準適合検査値(Phase IV)の補正方法を利用して確認された日本人成人(20~60 歳)の基準範囲(RI)です。

TSH 0.61~ 4.23 μU/mL
FT3 2.3 ~ 4.0 pg/mL
FT4 0.9 ~ 1.7 ng/dL
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